林檎裁判

   2016/08/21

本当は怖いおとぎ話をさらにダークにした感じの漫画です。
”赤ずきん”であるメイジーはかつて森で男たち(メイジーの認識ではオオカミ)に襲われて命を落としてしまいます。
その無念からかメイジーの魂は現世をさまよい続け、林檎に宿ることになります。
ちなみに、林檎に宿ったメイジーは顔に大きな傷があり、これは林檎にも反映されています。

林檎は不死を象徴する果実なのですが、同時に、美や愛をという意味も持っています。
そのリンゴにメイジーの魂が宿ったことは何とも言えない皮肉とも取れますね。

林檎に宿ったメイジーの目的はただ一つ。
オオカミたちへの復讐です。
かつては祖母のお使いをしてあげたりと優しい女の子だったのでしょうが、林檎に宿ったメイジーはかなり冷酷です。

助けを請う男に対して
「お前も同じことをしたでしょう?」
といってとどめを刺してしまったりします。
立ち位置的には貞子的なものもありますが、貞子ほど万能ではなく色々と制限がついているようです。
この制限を克服するためにも、同じくオオカミたちによって心を気付つけられた女の子を使っています。
登場人物が全員何らかのトラウマや影を抱えており、苦悩する場面等は一見の価値ありです。
もっともメイジーは苦悩を通り越してただただ復讐がしたいだけのようですが・・・

林檎裁判というタイトル通り、林檎に宿ったメイジーがオオカミたちを裁くという、勧善懲悪とは一線を画した漫画で続きが楽しみです。
2015年のラストに面白い作品が出てきたなと思います。

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